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企業のみなさまへ、アジアでの低炭素発展に向けた企業のビジネス展開を支援します。

アジア低炭素発展に向けたビジネス連携支援サイト Business Collaboration Support Platform for Low-Carbon Development in Asia

ベトナム事例卸売市場における有機廃棄物メタン発酵及びガス供給

日立造船株式会社http://www.hitachizosen.co.jp/〒559-8559 大阪市住之江区南港北1丁目7番89号

会社概要

日立造船は「グリーンエネルギー」及び「社会インフラ整備・防災分野」を事業分野とし、エネルギー問題では、ごみ焼却発電、風力発電、太陽光・太陽熱発電などの技術を提供しています。ごみ焼却発電については、1965年(昭和40年)に第一号施設を納入して以来、改良を重ねてきており、世界NO.1を目指し「環境の日立造船」として事業展開しています。

ごみ焼却発電施設は、廃棄物を燃やして衛生的に処理すると同時に、大切なエネルギー資源として発電する施設です。日立造船グループは世界のリーディングカンパニーとして、数多くの施設を納入しています。その実績としては、処理能力の世界シェアNo.1(2008~2010年度)、世界最大級の施設(3,000t/日)の納入実績、累積発電能力において国内トップクラスとなっています。また、日立造船は現在、焼却施設、リサイクル施設を合わせ210施設以上のアフターサービス業務と70以上の運転委託業務を請け負っており、常に、設備・機器が最大限の能力を発揮できるように、熟練した技術員によるサービスを提供しています。

海外事業の沿革

日立造船は、1987年より海外進出を開始し、韓国、台湾および中国において納入実績を持っています。さらに、東南アジアおよび南アジアに進出しており、現在は、シンガポール、インドネシア、ベトナム、タイ、ミャンマーやインドなどに拠点を設立しています。

海外事業の実績に関して、日立造船はHitachi Zosen Inova AG(スイス)と共に、全世界にごみ焼却・発電施設を納入しており、国内195施設+海外263施設、あわせて458施設を納入しました(2013年10月現在)。

JCM事業の概要

ベトナム政府は、2050年までに「全ての固形廃棄物が各現場の実情に適した最先端の環境にやさしい技術を用いて回収・再利用・リサイクルされ、完璧に処理される」ことをビジョンとして採択しました。また、ベトナム政府は2025年までの目標として、固形廃棄物の統合管理の実施、最先端の技術を用い廃棄物量を最小限に抑えること、環境に配慮した生活スタイルの促進に係るコミュニティの意識の向上を掲げています。

このような状況の下、本事業は、上述ビジョンや目標に基づきホーチミン市からのニーズを受けて形成されました。また、ホーチミン市においては、大阪市との都市間連携の基にJCM大規模案件形成調査が実施されており、廃棄物分野では都市ごみの焼却発電、排出源での生ごみ分別とメタン発酵処理による生ごみ循環システムの構築も実施されています。

具体的には、ベトナム・ホーチミン市の卸売市場で発生する廃棄物の中から生ゴミ(約50t/日)を分別収集し、卸売市場の排水処理施設から排出される有機汚泥(約2t/日)と共に、市場内に設置するメタン発酵システムで嫌気処理を行い、回収したバイオガスを燃料として卸売市場に供給します。また、メタン発酵後の残渣から堆肥・液肥を生産し、近隣農家に供給します。

日立造船はベトナム国営企業であるSaigon Trading Group (SATRA)、日本国内で環境マネジメントや廃棄物管理代行業務等を行っている(株)サティスファクトリーインターナショナルとコンソーシアムを組み、本事業を共同実施しています。プロジェクト期間は、2014年度~2016年度が施設整備、以降の17年間の施設稼働を予定しており、施設完成後の初年度のCO2排出削減量は980tCO2/年を想定しています。

JCM活用の動機、メリット

日本政府の支援を受けて廃棄物処理設備導入の実績をつくることは、他国においてビジネス展開をする際に有益と考えています。よって、JCM設備補助制度により当該設備を導入し、お客様に品質の高さを理解していただくことで、さらなるビジネス展開につなげたいと考えています。

技術的な特徴

本プロジェクトで導入するメタン発酵技術は、無希釈循環式二相メタン発酵方式といわれるものです。メタン発酵は、基質の可溶化・酸生成、およびメタン生成の2段階の生物反応からなっており、各々操作条件が異なります。そのため、処理を高速化するための可溶化促進とメタン生成菌による安定発酵を独立させて二相処理で行うことが効率的です。

この無希釈循環式二相メタン発酵方式(Water less Two-phase Methanation system、以下、WTM方式)はメタン発酵の ①可溶化・酸生成、および ②メタン生成の二段階の生物処理を効率よく行うために、①高温可溶化、②中温メタン発酵の二相処理を組合せた高効率のメタン発酵方式です。

WTM方式では、生ごみ等の有機性廃棄物を混合槽において返送される発酵液と混合して、流動性の高スラリーとします。続く高温可溶化槽で可溶化・酸発酵させて、有機酸及びアルコール等のメタン発酵しやすい物質とし、最終的に中温メタン発酵槽においてメタンを主成分としたバイオガスに変換するものです。中温メタン発酵はアンモニア性窒素の阻害に強い特徴をもっており、投入された生ごみと菌体が速やかに混合撹拌され、有機物を効率よく分解しバイオガスに変換することができます。

課題・今後の展開

本プロジェクトのような大規模なメタン発酵処理設備の導入は、プロジェクト実施地域における統合的な廃棄物マネジメントの一環として行政も巻き込んだ計画及び実施が重要であると考えています。実際に本プロジェクトにおいては、計画の初期段階からホーチミン市環境局が深く関わっています。

今後の事業の展開としては、JCM設備補助制度を活用し、ベトナムの他の地域、及び東南アジア地域においてもそのニーズに合致する設備の提供を行って行く予定です。